日本では、『PRの成果は実体のない形になる事が多い為、本当の評価は不可能である』
そういった意見をよく耳にする事があります。
企業広報担当者もPRによる、効果測定方法に悩む事が多いのではないでしょうか?
広告換算・露出数での測定は疑似評価である
国内で、PRの評価は『広告換算値』や『メディア露出数』で評価される事がほとんどです。
PRコンサルタントとして、お客様とお話をさせて頂く中で、規模の大きな企業様ほど、その様な測定をしてるように感じます。
確かに、換算値や露出数は明確な数字として表しやすい指標です。
しかし、その指標は目的に対して正確な分析になっているのでしょうか?
PRのポジションは目的によって変わる
PRの目的は下記の様に多岐にわたります。
①ポジション形成
②興味喚起
②知名度向上 など、、、
にも関わらず、測定の指標は統一されており、露出数と換算値というのが、日本国内のPRの現状です。
◆目的に沿った分析でなければ意味が無い
知名度向上であれば、露出数や換算値を指標として問題無いと思います。
しかし、ブランディングの1つとされる『ポジション形成』『興味喚起』は生活者の認知変容を指標にしなければ、決して図る事ができません。
◆生活者の認知変容とは
本コラムにおける認知とは『商品やサービスをどの様に解釈するか』を指します。
ブランディングという曖昧な定義を簡潔に表現するならば、商品・サービスに対しての解釈を変える作業と言っても過言ではないかと思います。
◆タバコは自由の為のシンボル?害のある商品?
ブランディングに関する、分かりやすい成功事例として、アメリカン・タバコ・カンパニーの事例があります。
1920年代、アメリカン・タバコ・カンパニーから、女性喫煙者を増やすように依頼を受けたPRコンサルタント(バーネイズ)は公衆の面前での喫煙と女性解放を結びつけるという絶好のアイデアを思いつきました。
そこで、女性人権運動家に『自由の為の光』のシンボルとして、ラッキーストライクを吸いながら、ニューヨークの5番街をデモ行進して貰ったのです。
このイベントは、アメリカ各地の新聞の一面を飾り、女性の喫煙に対する一般的な認知を大きく変化させました。
ここでの成果指標は、新聞の記事獲得数でも換算値でもありません。
指標は、どれだけ多くの女性が『タバコ=女性解放のシンボル』として認知するか否かです。
PRの成果を正しく測るたった2つの方法
ここまで読んで頂いた皆様ならお分かりかと思いますが、成果を図る前にPRを行う目的を明確にする!
そして、指標として何を分析するのか? を定義にする事が大切です。
当たり前の事ですが、国内のほとんどの企業が、何も疑わずに、換算値・露出数を指標にしているのが現状です。
PRの成果を正しく分析するには
①目的の明確化
②指標として何を分析するか
この2つのポイントを意識して分析しましょう。
Source: PR会社でナンバーワンを目指す!上岡正明オフィシャルブログ