企業において広報の役割とは、時代と企業の変化を敏感に捉え、社会におけるポジションやビジョンを客観的かつ論理的に見つめ、軌道修正や改善を行うことです。
そのためには戦略的思考とクリエイティブ思考が不可欠といえるでしょう。
もちろんメディアへのアプローチや一般社会へ向けての情報発信なども広報担当者の大きな役割ですが、それは戦略のもと実行されることです。
戦略的思考とクリエイティブ思考
時代の流れや企業の状態によって、広報戦略も変化させなければなりません。
広報戦略を練るときには、論理的にアプローチ手段を見極めていくことが重要となります。
そのためのステップをご紹介します。
1.情報収集・現状把握
まず、背景と現状に関する情報を収集し、分析しましょう。
2.広報活動の目的と目標の設定
広報活動において、目的と目標が決まっていなければ、前へ進めません。
3.キーメッセージの開発
「キーメッセージ」とは、商品やサービスについて相手に最も伝えたいメッセージのこと。つまり「口説き文句」です。
これが的外れだと、どんなに大量の情報を顧客に発信しても全く受け入れてもらえません。
思想と行動の核となるメッセージ(ステートメント、コンセプトワード、スローガン、キャッチフレーズ等)を誕生させましょう。これはにはクリエイティブ思考が求められます。
4.メディア選定
企業広報でも商品・サービスPRでもアプローチしたいターゲットが存在すると思います。
そのターゲットに向けて、どのようなメディア・媒体を活用すると効果的なのか検討する必要があります。
自社メディアとしてはウェブサイトやDM、メルマガ、ニュースレターのほかに、リアルな場として記者会見やイベントの開催、セミナー主催など色々考えられます。
また、マスメディアを活用したい場合は、どの媒体に記事を出したいのか、という選定も必要となります。
その際やみくもにリリースなどを発信をしても非効率ですし、メディア側からしたら媒体の特徴とまったく異なる情報を受け取っても意味がありません。逆にそのようなことを繰り返ししていると嫌われることもあります。
5.戦略に基づいて、年間スケジュールを作成
広報活動においてタイミングは非常に重要な要素です。事業計画に沿っていること、そしてメディアの動きも把握する必要があります。
6.目的、ターゲット、キーメッセージ、戦略の見直し
広報活動の実施期間にもよりますが、進行状況を冷静に見つめ、計画通り、予想通りの成果をあげられているか評価しましょう。
計画、予想を下回っている場合にはその原因を分析し、目的、ターゲット、キーメッセージ、戦略、活動内容に問題がないのか見極めます。
そして直ちに軌道修正しましょう。
このように広報活動においてもPDCAは大切です。