クロスメディアとは、ある一つのコンテンツやデータを多用途として、複数の媒体を用いて表現することをいいます。
クロスメディアを実施する大きな目的は、一つの媒体で不足している面を補いあい、横断的に情報に触れてもらうことです。
複数の媒体を横断。利便性を高め付加価値を与える仕組みを実装
一日の流れを想像してみてください。
朝食を食べながら情報番組を観る。吊革や車両広告を目にし、日経を読みながら通勤する。街でチラシ配布していたお店でランチ。帰りの電車はネタ探しのためスマホ操作。帰路にファッション雑誌を購入。家についてテレビをナガラ見しながら読書。
さて、一日でいくつのメディアやデバイスに触れているでしょうか。
メディアにはそれぞれ特徴があり、扱えるデータや与えるイメージも異なります。
文字、音声、動画、静止画・・・・それぞれ適切な表現方法が求められます。
そのため、ひとつのメディアですべての要素を伝えきることは難しく、また一つの媒体に絞ってしまうと、顧客との接触時間が減ってしまいます。
場合によっては大量の情報に埋もれてしまい、気づかれないこともあります。
ですから、移動中は携帯電話、自宅ではパソコンといったように、一人の利用者が異なるメディアへ横断するときに利便性を高めた仕組みを実装する必要があります。
その他にも広告にURLやQRコードを印刷して、ウェブサイトのトップページを知らせるなど、「他のメディアの案内」をすることもクロスメディアの役割です。
このように、利用者の利便性向上や付加価値を提供することがクロスメディアの目指すところでもあるのです。
PR・広報活動にも重要な戦略手法
ガラケーやスマホ、タブレットなどの携帯デバイスにおいてインターネットアクセスが高度化したこともあり、新たなクロスメディア手法が次々誕生しています。
例えば、インターネットという世界ひとつとってもクロスメディアは可能です。
「パソコンで調べたクーポンのURLをスマホに送信。印刷不要でバーコードを読み取ればOK。使用後はコメントページへ移動して書き込みできる」など、インタラクティブなコミュニケーションを実現。
単一メディアで不可能な付加価値を与えることが出来るのです。
もちろん、まったく異なる媒体で連携することもできます。
あなたもよく目にしたことがあるでしょう。
テレビCMを観ていたら「続きはWeb」で、という言葉を。
これはマス広告からネットに誘導させることによって、通常のCMでは伝えきれない内容を自由度の高いネットで訴求する手法です。
このように、クロスメディアは目的に応じて幾通りでも組み合わせができ、自社独自のPR戦略を開発するこが可能なのです。
よく言われる「差別化」。これは商品のことだけでなはく、PR・広報活動にとっても非常に重要です。
それを実現させるために、クロスメディアを使わない手はありません。