「販売促進」とは、販売活動の一環として売り手が買い手の購買欲を刺激し、実際に商品を購入してもらうための活動です。
セールス・プロモーションといったり、省略して販促ともいいます。
マスメディアを利用して大規模な宣伝をしたり、ダイレクトメールなどの配布、景品・試供品の提供、陳列の仕方や説明の仕方などの社員教育、アフターサービスの充実も「販促」活動の一部です。
重要なことは、『購買の直接的な動機付け」をすること。
売りつける販売、高圧的販売ではなく、買い手の立場にたち消費者らが関心を抱き、欲求を高め、購買したくなるように働きかけることです。
直接お客様と対面し、商品の良さを伝える「営業」。認知の促進とイメージ形成をする「広告」。そして、購買の直接的動機付けをする「販促」。それぞれ役割が異なるため、特徴を把握し、効果的に正しく使い分けることが成功のカギと言えます。
マーケティングとの深い関係
マーケティングという言葉を聞いたことがあることでしょう。
マーケティングとは、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念のことです。
一般的にマーケティング活動では、ターゲットとなる市場から期待する反応を引き出すために、「4P」や「4C」などあらゆる視点や考え方、ツールなど用い、自社にあった最適な方法で利益を得るための手法を導き出します。
つまり、販促はマーケティングの一部だということです。
消費者に選ばれるために、どこで・何を・どのタイミングでするのか。販促だけを念頭に活動することは経営戦略上ありません。
※「4P」=製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)
※「4C」=顧客価値(Customer Value)、顧客コスト(Customer Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)
手段と考え方 ― 「人的」と「物的」 / 「対外的」と「対内的」
販売促進の手段としては、
●開放的共用手段(マスメディアによる広告やパブリシティ、マスコミ報道)
●閉鎖的専用手段(カタログ、DM、メルマガなど)
●人的手段(実演、講演、セミナーなど)
●物的手段(景品、サンプル提供など)
●金銭的手段(リベート、商品券、割引券など)
があります。
また対象別の活動としては、対外的と対内的の考え方があります。
【対外的販売促進】
●対卸売(販売員教育、販売コンテスト、情報・資料の提供など)
●対小売(店舗設計・商品陳列の指導、店員教育、カタログ・景品・試供品の提供など)
●対消費者(DM、カタログ・機関誌の提供、相談サービス、展示会・説明会の開催、クラブの組織化など)
【対内的販売促進】
●対販売部門(販売員教育、販売コンテスト、販売資材の準備など)
●対広告部門(広告予算など)
●その他関連部門活動
有効な方策は、各手段が連動することです。
また、購買後のケアを忘れてはいけません。
適切なアフター・サービスは顧客満足[customer satisfaction(CS)]を生み出し次なる購買の強い原動力となります。