社長を映す『鏡』の社員ってなに?

 

◆キャッチアップの社員教育

 

前回は、「できる社員は、オーナーシップが強い」という話をした。

今回は、帰属の意識が高い社員の教育方法について。

 

 

いくら社長とはいえ、たえず叱っていたら、

私からいわれ慣れてくるし、

また、メンタルが弱い社員になると、 萎縮して、言葉を返せなかったりもする。

(怒ると決めたら、いつも本音トーク。だから、会議テーブルを叩いたりもするので)

 

しかし、いっぽうで、そうしたメンタルの弱い社員は、

会社という組織の表現者でもあると、私は考える。

組織の弱者は、たえず、上の者から叱られたり、不満を受け止めたりしている。

そして、その上の者は、さらに、さらに、上層からの不満を伝搬しているものだ。

 

つまり、 一番、底辺にいる社員の心が弱りはじめると、

組織のつらなり全体に、なにか問題がある信号である。

それは、社長でもある、私自身の問題であることも多い。

 

心の弱い社員は、社長を映す『鏡』でもあるのだ。

だから、私はとても大事にする。

 

そして、叱るのはよくないな、感じた場合は、

いま必要と思われる、本を貸す。

 

 

ビジネス書を含めた本は、自分の代弁者としていい。

 

私は、本を綺麗に読んだことがない。 自分が読み終わった本は、マーカーと、折れ目で、常にぼろぼろだ。

その本を、読み終わって、すぐに貸す。

 

マーカーや、ボールペンでの書き込みが、

そのまま入っているため、 社員は、自分が感じたことを、

私の考えと反芻しながら読めることになる。

 

そのあと、本の感想をもとめながら、 1時間ぐらいの、気楽な面談をする。

 

すると、

 

「貸してもらった本、社長もマーカーを引いていましたよね。あそこ、僕も感銘を受けました」

「社長の書き込み、読んで、ぼくの悩みと同じで、思わずうなづいて、メモりました」

 

といってくれる。

 

「どうして、そう思ったの?」

「メモの言葉と、いまの悩み、どう違うの?」

 

とさらに聞く。

ここまでくると、帰属意識の高い社員や、メンタルの弱い社員も、

自分の役割への疑問や、組織の不満も、すんなりと、答えてくれることが多い。

 

これは、 私が読み終わった本を、すぐに貸したことで、 共通言語と、考える糸口が生まれからだろう。

 

あとは、互いに生まれた共通言語を意識しながら、

本質的で、具体的な質問を、つぎからつぎへと、繰り出せばいい。

 

そして、その社員の意見や考えを肯定しながら、

不満や悩みを解決し、より互いにオーナーシップを組める、

全社のなかでの最適な役割はなにかを話し合う。

 

これを、私はキャッチアップ教育法と呼んでいる。